寺田倉庫寄付講座
修復保存コース

寺田倉庫寄付講座 保存修復コース

寺田倉庫(本社:東京都品川区 代表取締役 中野 善壽)と美術・工芸品修復の人材育成に向けて、2017年4月から「寺田倉庫寄付講座 修復保存コース 以下、本コース」を開設しました。
現在、環境変化や経年による劣化・損傷した美術品・工芸品などが広く社会に存在しているにも関わらず、設備や人材の不足のため手つかずの状態のものがあります。このような状況を鑑み、横浜美術大学は新しい芸術を創りだす人材を育成することに加え、人類共通財産としての、あるいは個人・家族の宝物としての美術品・工芸品等の修復保存に関わる修復技術者を育成するため、本コースを開設し、次世代を担う人材の育成に貢献してまいります。
またそれに伴い、寺田倉庫が運営する TERRADA Art Complex に情報発信拠点としての横浜美術大学天王洲サテライトを設置し、デジタルアーカイブにおける修復保存についても視野に入れながら、国際社会に通用する、志ある学生の育成に努めてまいります。

カリキュラム概要

寺田倉庫寄付講座 修復保存コース

1年次では、A系(絵画・彫刻)C系(クラフトデザイン)V系(ビジュアルデザイン)の3つのカリキュラムモデルを用意しています。この3つのカリキュラムモデルは、美術及びデザインに関する様々な分野への導入の役割を果たします。それぞれのカリキュラムモデルの主軸となる系と他1分野の知識や基礎的な表現技術を学んだ後に、2年次のコースにつなげます。

2年次からは1年次での基礎造形教育を踏まえ、絵画彫刻クラフトプロダクトデザインテキスタイルデザインビジュアルデザインコミュニケーションデザイン映像メディアデザインイラストレーションの8コースに分かれて、より専門的な実技教育を受けます。それぞれの分野の専門性を踏まえ、3年次から「修復保存コース」を選択することができます。

教員紹介

隈研吾
客員教授
隈研吾
建築家・東京大学教授

1954年生。東京大学建築学科大学院修了。
1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。
現在、東京大学教授。
1997年「森舞台/登米市伝統継承館」で日本建築学会賞受賞、その後「水/ガラス」(1995)、「石の美術館」(2000)「馬頭広重美術館」(2000)等の作品に対し、海外からの受賞も数多い。
2010年「根津美術館」で毎日芸術賞。近作に浅草文化観光センター(2012)、長岡市役所アオーレ(2012)、「歌舞伎座」(2013)、ブザンソン芸術文化センター(2013)、FRACマルセイユ(2013)等。国立競技場の設計にも携わる。
著書に、『自然な建築』(岩波新書 2008)、『小さな建築』(岩波書店 2013)、『日本人はどう住まうべきか?』(養老孟司氏との共著 日経BP社 2012)、『建築家、走る』(新潮社 2013)、『僕の場所』(大和書房)など。

吉岡幸雄
客員教授
吉岡幸雄
染織史家

「染司よしおか」五代目当主。1946年京都市生まれ。1971年早稲田大学第一文学部卒。1973年 美術図書出版「紫紅社」を設立。美術工芸関係の書籍を発行する傍ら編集・広告にも関わる。1987年 生家「染司よしおか」を継ぐ。植物・天然染料による染色を専らとして日本の伝統色と染織の歴史を研究。古社寺の行事に関わり、国宝の復元に取り組む。1993年奈良東大寺、伎楽装束40領を制作。天平の彩りと文様をすべて植物染料による染織の古法にのっとって再現する。2001年ドイツ・バイエルン州ミュンヘン市共立手工芸ギャラリーにて「染司よしおか」展を開催。2002年東大寺大仏開眼1250年慶賀法要にあたり管長の紫衣、糞掃衣、開眼の縷等を制作。岩波新書『日本の色を染める』を刊行。2006年イギリスのシティー・オブ・ロンドンフェスティバルに出展。2008年成田国際空港第二ターミナル到着ロビーのアートディレクターを務める。グッドデザイン賞を受賞。「源氏物語千年紀」にあたり、源氏の色54帖を再現。2009年京都府文化賞功労賞を受賞。2010年日本古来の染色法による古代色の復元、東大寺等の伝統行事、国文学、国宝修復など幅広い分野への貢献が認められ、第58回菊池寛賞を受賞。2011年吉岡幸雄と染司よしおかの情熱を追ったドキュメンタリー映画「紫」が完成。(企画制作 株式会社ATMK)全国各地で上映が始まる。2012年第62回(平成23年度)NHK 日本放送協会放送文化賞受賞。
主な著作『日本の色辞典』、『源氏物語の色辞典』、『王朝のかさね色辞典』『自然の色を染める』(紫紅社)、『色の歴史手帖』、『染と織の歴史手帖』、『千年の色』(PHP研究所)、『日本の色を染める』(岩波新書)、『日本人の愛した色』(新潮選書)、『日本の色を歩く』(平凡社新書)、『色の歳時記』、『色紀行 日本の美しい風景』(清流出版)、『京都の古社寺 色彩巡礼』(淡交社)、他多数。

増田セバスチャン
客員教授
増田セバスチャン
アーティスト

原宿Kawaii文化をコンテクストとしたアーティスト。
京都造形芸術大学客員教授。1970年生まれ。
演劇・現代美術の世界で活動した後、1995年に“Sensational Kawaii”がコンセプトのショップ「6%DOKIDOKI」を原宿にオープン。2009年より原宿文化を世界に発信するワールドツアー「Harajuku"Kawaii"Experience」を開催。
2011年きゃりーぱみゅぱみゅ「PONPONPON」PV美術で世界的に注目され、2013年には原宿のビル「CUTE CUBE」の屋上モニュメント『Colorful Rebellion -OCTOPUS-』製作、六本木ヒルズ「天空のクリスマス2013」でのクリスマスツリー『Melty go round TREE』製作を手がける。
2014年に初の個展「Colorful Rebellion -Seventh Nightmare-」をニューヨークで開催。2015年には寺田倉庫本社倉庫(T-Art Gallery)にて、国内初の展覧会「TRUE COLORS」開催。
2020年に向けたアートプロジェクト「TIME AFTER TIME CAPSULE」展開中。

杉本洋
専任教授
修復保存・美術研究・卒業制作 等
杉本洋
日本画家

1951年東京都に生まれる。1977年東京芸術大学大学院日本画科修了。1989年出雲大社大阪分祠神殿襖絵制作(大阪・堺市)。1993年秋篠宮家扇面制作。1994年地蔵院本堂天井画制作(あきる野市)。1995年清岩院本堂襖絵制作(福生市)。1998年出雲大社大阪分祠屏風絵制作。1999年京濱伏見稲荷神社参集殿壁画制作(川崎市)。1999年~唐招提寺(奈良)「中興忌」うちわ絵制作。2002年能舞台「老松」制作(あきる野市)。2003年長徳寺客殿「開山堂」制作(福生市)。2004年文化庁文化交流使に指名される。ヴィクトリア美術館にて個展、ワークショップ、講演を行なう。U.B.C(ヴァンクーバー)にてワークショップ、講演を行なう。2005年「ペイントイン」(カナダ)特別招待作家として参加。2006年「ペイントイン」(カナダ)特別招待作家として参加。U.B.C(ヴァンクーバー)にてワークショップ、講演を行なう。郷さくら美術館作品収蔵(福島県・郡山市)。国立司法研修所作品収蔵。2008年~東大寺二月堂修二会行法用紙手制作。光徳寺客殿衝立制作(仙川)。早大・表現工学科 ファッションショー(早稲田大学大隈講堂)。2010年MISSA(Metchosin International Summer School of the Art)に参加「ペイントイン」(カナダ)特別招待作家として参加。奈良県五條市にアトリエとして「虫籠庵」を開設する。2011年ART-JAM in CANADAをプロデュースする(Collective Works Gallery)。2012年「華麗なる調べ」にて作品をCGで表現する(act*square・恵比寿)。2013年「HANARART」(奈良県共催)五條HANARARTのアートプロデュースを担当。2016年當麻寺中の坊 天井画制作(奈良・葛城)。

個展、多数

宮津大輔
専任教授
現代アート経済論・クリエーターサバイバル論 等
宮津大輔
アート・コレクター

アート・コレクター、京都造形芸術大学客員教授。
1994年より現代アートのコレクションを開始。収集した作品やアーティストと共同で建設した自宅が、デリム現代美術館(韓国・ソウル)での展示をはじめ、国内外で広く紹介。
2011年7~9月、MOCA TAIPEI(台湾・台北)にて全館を使用した大規模なコレクション展が開催される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会議」委員、「優れた現代美術の海外発信促進事業」審査員、「羽田オリンピック・パラリンピックレガシー推進タスクフォース」委員等を歴任。
著書に『現代アート経済学』(光文社新書)や『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国語・簡体字版・中国 金城出版/繁体字版・台湾 Uni Books/韓国語版 ArtBooks)等がある。

上野淑美
非常勤講師
修復保存 等
上野淑美
絵画修復士
(株)シー・アール・エス 代表取締役

大学では現代美術のコースを卒業後、イタリアに渡りU.I.A(国際修復大学・フィレンツェ)の修復コースに在籍しヨーロッパ古典絵画の修復やフレスコ画の修復技術を学ぶ。
卒業後、東京の絵画修復工房に所属していたがその後、日伊共同プロジェクトであるPalazzoSpinelliの東京校で10年間修復科主任講師を勤め、この間イタリア本校の教授陣とも交流を深めた。
これらの経験から、古典絵画から近~現代絵画まで幅広い修復経験を持つ。
修復学院では美観修復の指導を担当していたが、特に絵画のクリーニングにおけるドライクリーニング・ウェットクリーニング(ジェルやニュートラルクリームの洗浄や酵素洗浄)などの各種洗浄剤については現在でも研究課題として取り組んでいる。
2009年に株式会社シー・アール・エス(Conservation&Restoration Studio for the ART)設立。
設立後はイタリア修復士資格を持つスタッフと美術館・財団作品の調査・修復・および保存管理アドバイザー業務を行っている。

勝尾岳彦
非常勤講師
Reデザイン論
勝尾岳彦
デザインプロデューサー
(株)コンシリウム 代表取締役

1983年東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。1985年東京藝術大学美術学部大学院美術研究科修了。GKインダストリアルデザイン研究所入社。1991年日経BP社入社。1993年日経デザイン副編集長。1994年日経アート編集長。1998年日経デザイン編集長。2008年ビジネス局編集委員。2009年日経ベンチャー経営者クラブ事務局企画編集部長。2010年ベンチャーサービス局プロデューサー。2014年~2016年日経デザイン編集委員。2016年企画・デザインプロデュースを行う株式会社コンシリウムを設立。
経済産業省「ユニバーサルデザイン懇談会」委員、経済産業省「戦略的デザイン活用研究会」委員、産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委員会委員、埼玉県「彩の国 人にやさしいまちづくり賞」選考委員、日本サインデザイン協会「SDA賞」審査委員、産業技術総合研究所「キッズデザイン情報活用整備委員会」委員、復興庁「新しい東北先導事業東北発!海外展開加速化事業」推進協議委員、東洋大学非常勤講師、東京藝術大学非常勤講師ほかを歴任。国内の他、中国、韓国、台湾、インドネシアなどアジア各国で講演。2002年より内閣府バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰制度選考委員会委員。

村上祥子
非常勤講師
デジタルアーカイブ再生論
村上祥子
アートディレクター
(株)エーディエス ディレクター

熊本県出身。九州大学文学部卒業。ヴィジュアルデザイン研究所終了。九州造形短期大学講師、エルム(株)企画室を経て1987年(有)環境デザイン研究所に入社、アートディレクターとして現在に至る。2013年より、株式会社エーディエス(ADS)のクリエイティブディレクターとして、デジタルミュージアム関係のプロジェクトに参画。

【デジタルミュージアム関係プロジェクト例】
デジタル体験「国宝東寺百合文書展」(京都府立総合資料館)ビデオ制作企画編集・インタラクティブ展示計画/二条城行幸図屏風(泉屋博古館)デモビデオ制作企画編集書籍「二条城行幸図屏風の世界」企画編集アートディレクション/仁和寺の鷹 ビデオ制作/早稲田大学演劇博物館所蔵 歌舞伎屏風の世界 ビデオ制作

パーソナル活動として、1988年より、「地球はともだちオリジナル(チャリティー)カレンダー展」に参加、毎年カレンダー制作・展覧会発表。2001年よりカレンダーに加えて「地球はともだち環境ポスター展」に参加、事務局運営。
〈所属〉日本グラフィックデザイナー協会、モダンアート協会