学長メッセージ

- 岡本 信明
- 学校法人トキワ松学園
横浜美術大学 学長
横浜美術大学の学びの特色とは
「これからの時代は創造力が必要だ、創造性が重要だ」そんな言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。では創造性とは何で、どのようにして身につけるものでしょうか。
『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館)によれば、創造性とは「新奇で独自かつ生産的な発想を考え出すこと、またはその能力」とされており、すべての人に潜在的に備わっているものです。
横浜美術大学は美術・デザインを学びの道具として、皆さんの中に潜んでいる創造性が発揮しやすいように、言い換えれば、それを引き出しやすいように、カリキュラムを準備している大学です。一般的に、美術系大学では入学時に専門の学科やコースがすでに決まっていて、4年間をかけてその専門分野を極める傾向がありますが、横浜美術大学では、入学後にいろいろな分野を経験して、自分の創造性を引き出すのに適した専門分野を選択していきます。
1年次には、A系(絵画・彫刻)、C系(クラフトデザイン)、V系(ビジュアルデザイン)からメインとサブを選び、それぞれのカリキュラムに設けられた基礎プログラムをしっかりと学ぶところから始まります。すでに特定分野の知識や技術があったとしても、他分野の基礎プログラムを学ぶことは価値のあることです。横断的に知識や表現技術を学ぶことで、自身の適性分野や興味を確かめることができ、異なる視点での物の見方とアプローチの仕方を身に付けることによって、専門コースにおける学びや創作活動がより一層の深みを持つものとなります。基礎を固める3つの横断的カリキュラムと、2年次以降のコース選択を組み合わせた学びの展開は、多様性の理解と物を生み出す力の修得にもつながり、皆さんが社会に出たときの大きな力となります。
創造性や創造力は、何もないところから突然発揮されるものではありません。地道な基礎学習という努力が必要です。そして、それをベースにした沸き上がる興味への高揚感が創造性や創造力を引き出します。単なる思い付きではなく、多くの知識と技術、集中力があって自然に生まれるものです。1年次の学びの特色は、2年次以降の専門分野での学習において、誰もが潜在的に持つ創造力や創造性を引き出すことに繋がっています。先輩たちの実績がそれを示しています。
特色あるカリキュラムを有する横浜美術大学で、創作活動への高揚感を仲間と一緒に感じてみませんか。
お待ちしています。
- 学長
岡本信明(おかもとのぶあき) - 1951年愛知県生まれ。東京海洋大学長を経て、学校法人トキワ松学園理事長。
研究分野は魚病学・遺伝育種学。
代表作品に「病気にならない養殖ヒラメ(特許)」があり、商業生産されている。