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INTERVIEW
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専門的な指導とゆとりのある雰囲気
さまざまな学びの基礎を固めてくれる
横浜美術大学はどんな場所でしたか?
さまざまな学びの基礎を固めてくれる場所だと思います。描写や構図の取り方、道具の扱い方など美術に関するひと通りの基礎実技、また、レポートの書き方やPCの扱い方など「今後の作品制作に反映するための基礎」を初年度に徹底的にさらってくれたので、そのときの知識や技術が後になって思いもよらないところで活きる経験が何度もありました。
また、横断的なカリキュラムでいろんな美術分野の経験ができたこともありがたかったです。
漫画家
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今村 翠
IMAMURA Midori
イラストレーションコース
2013年度卒業
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専門的な指導とゆとりのある雰囲気
横浜美術大学に入学しようと思ったきっかけは何ですか?
子どもの頃から絵を描く習慣があり、座学の授業が全般的に好きだったので「勉強は趣味にして、大学では絵を学ぼう」と決めていました。
しかし、高校受験の時に半年ほど通った塾のシステムや雰囲気が自分に合わず「もう二度と塾や予備校には通いたくない」と思い、美大には行きたいけれど予備校には通いたくないと考えていたときに発見したのが、横浜美術短期大学 (当時) のデッサン講習でした。
専門的な指導とほどよいゆとりのある雰囲気で、自分の頭で考えながら作業できる環境に「ここならやっていけるかも」と思えたことが入学の決め手でした。
興味のある本を気軽に手に取って毎日読むのが楽しかった
大学ではどのような日々を過ごしましたか?
大学時代にしていたことというと、読書です。
大学へは自宅から1時間強の通学時間で、そのうち約40分は電車に乗りっぱなしだったので、毎日往復で80分の読書ができました。
知識欲があっても読書はあまり得意ではなかったので、途中で居眠りすることもありましたが、興味のある本を気軽に手に取って毎日読むのが楽しかったです。
そんな学生でしたので、図書館にはかなり入り浸りました。美術に限らず文化にかかわる専門書も多い大学図書館は宝の山でした。また、共通科目(現 教養科目)の崩し字を読む原典購読の授業などで得た知識が今描いている漫画の時代考証にとても役立っています。
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書店のアルバイトや非常勤助手を経て、現在は漫画家へ
現在はどのようなお仕事をされていますか?
卒業後は書店のアルバイトや横浜美術大学の非常勤助手を経て、現在は漫画家です。
私は「絵が上手い」方の作家ではありませんし、学生時代もそうでした。
授業の課題制作後は毎回全員の作品を並べて講評会がありますが、自分よりもずっと絵の上手な友人たちの作品と自作を並べられるので、見劣りしない作品づくりを模索した結果、クラスのみんなや先生方を「どう驚かせてやろうか」と考えるようになりました。
課題内容に沿いながらどこかで意表をついて笑わせる、しかし背景情報は可能な限り厚く、作品について何を聞かれても即答できるよう準備する、そうした制作の方向性が現在の仕事にダイレクトに活きています。
漫画家は一番自然な選択肢
現在の仕事の魅力・やりがいは何ですか?
漫画家というと珍しがられますが、結局のところ自分にとって一番自然な選択肢をとっただけのことなので、情熱に突き動かされてものを描くというよりは、自然なサイクルを回せる地点に少し足がついたというイメージに近いです。
絵を描く習慣があり、架空のストーリーを考える癖があり、無節操な知識欲があることがすべて制作に活きるので、
作品の形で日々の営みを社会に還元し、それが誰かにとっての娯楽となるなら、美しいシステムだと思います。
あとは、この営みを持続可能にするために社会とのマッチングを模索しながら地盤をかためて制作を続けていきたいです。
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これから横浜美術大学を目指す高校生へのメッセージ
横浜美術大学は、両手では抱えきれないほどの選択肢を広げてあなたを待っています。
4年間をどう使うかはあなた次第ですが、真摯に取り組む学生を先生は見捨てませんし、学生の間に積み上げた実績はあなた自身を裏切りません。
少しでも興味が湧いたなら、一歩踏み出してみませんか。
卒業後の経歴
2017〜2019年度: 横浜美術大学 共通実技科目研究室 非常勤助手
2022〜2023年: 新潮社 月刊コミックバンチにて『るるひかる -Vampire Memories-』連載 (単行本全3巻)
他、複数の短編作品を発表

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