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INTERVIEW
05
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きっかけは従兄弟が持っていた海外の雑誌やレコード
きっかけは従兄弟が持ってた海外の雑誌やレコードジャケット
デザインに興味を持ったのは何故ですか?
私の地元は田舎でしたが、年の近い従兄弟が東京に住んでおり、年齢が近いこともあってよく遊びに行ってました。自分自身も従兄弟もバスケが好きでスニーカーの話やアート、音楽、ファッションなど東京で流行っているカルチャーをたくさん教えてもらっていました。従兄弟の家には海外の雑誌やレコードもあったので、そのようなものに触れるうちにグラフィックデザインに興味を持つようになり、気がついたら美術の道へ進もうという気持ちになっていました。
株式会社アクロバット
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株式会社アクロバット
(2024大学案内パンフレットを制作)
伊藤 佑也
ITO Yuya
2006年度卒業
短期間でアートとデザインを横断的に学べる環境が魅力
横浜美術大学を目指したきっかけは何ですか?
地元では、近所の絵画教室に通っていました。先生の旦那さんが横浜出身で、横浜美術大学 (当時、横浜美術短期大学) を勧められたのが大学を知ったきっかけです。

最初は4年制大学を検討していましたが、短期間で学べる学校が良いという気持ちもありました。専門学校は特定職種の実務に必要な知識や技能を身につけられますが、短期大学は教養を身につけるだけでなく、職業や実際の生活に役立つ能力を高められることがわかりましたので、専門学校ではなく短期大学へ進もうと決めました。
短大卒業後は、更に専門性を磨くために専攻科 (※) へ進学し4年間学びました。

※) 2002年当時、横浜美術短期大学の造形美術科は、コース実技を学びながら同時にアートとデザインを横断的に学修し、短大卒業後さらに専門性を磨き表現力を高めたい学生のために、修業年限2年の専攻科教育を行っていました。所定の単位を修得し、大学評価・学位授与機構の審査に合格すれば、4年制大学と同等の学位である「学士 (芸術学)」の学位を取得することができました。
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課外活動に夢中だった学生時代
横浜美術大学に入学して学校生活はどのように過ごしていましたか?
少人数制の大学なので、学生同士の交流はかなり深く授業時間外でも一緒にいることが多かったですね。今だからこそ言えますが、課題や授業に本気で取り組む学生ではありませんでした (笑)。授業そっちのけで友人とバンドのTシャツをデザインして、授業時間外にこっそり学校のシルクスクリーン (※1) で擦ったり、グラフィティアート (※2) の下書きをクロッキー帳に描いては友達と見せ合ったり、とにかく課外活動に夢中でした。
友達と過ごすそんな時間が楽しく、授業が無い日でも毎日学校へ行っていました。
美大に進学したことで、美術やアートを通して所属コースを越えた友達もでき、視野が広がったと感じています。

※1) 木・金属などの枠に絹などの織り目の細かいスクリーンを張り、それを通して版の下に置いた素材にインクか絵の具を直接刷る技法。Tシャツやトートバッグなどの布製品で使用されています。
※2) 主にスプレーを用いて、電車の車両や高架下の壁など公共の場に描かれる文字や絵のこと。
のびのびと自由にさせてくれた校風
授業よりも課外活動に夢中になっていたようですが、今振り返るとどうですか?
教員からは特に何も言われることなく、のびのびと自由に過ごさせてもらい、学生生活を満喫していましたが、もっと真面目に授業を受けておけば良かったとも感じています (笑)。
仕事を始めてから覚えたこともたくさんありますが、横浜美術大学は基本的なことを1から幅広く学べる場所なので、社会に出てから役立つことがたくさんあると思います。
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色々な経験が自分のスキルを高める!
現在はどのような仕事をしていますか?
卒業後は2社のプロダクションを経てフリーランスで活動した後、現在は株式会社アクロバットに勤務して5年目になります。幅広く業務を行っていますが、主に広告やキャンペーンなどのビジュアルづくり、またパッケージ、カタログ、WEBなどとにかくなんでもデザインします。皆さんがよく目にしている企業やキャンペーンのビジュアルなど大学を卒業してから今日までずっとグラフィックの仕事をしています。

業務としては、アートディレクターとデザイナーを兼務しています。
アートディレクションだけでなく、デザイナーでもあり続けたいと考えているので、自分に合った働き方ができることにやりがいを感じています。社員とフリーランスの立場を両方経験したことで、身についたスキルが、今の仕事に活かされていると思います。
自由だけど大変なフリーランスと、制作に集中できる企業内デザイナー
企業に所属するメリットやデメリットところはありますか?
フリーランス時代は何から何まで1人でやらなくてはならないので大変でしたが、自由に仕事ができることは良かったと感じています。一方で、企業に所属すると制作に集中できる環境が良いと感じています。
どちらも良い面とそうでない面がありますが、自分自身に合っている働き方は、デザインに集中できる環境だと感じています。自分に合った働き方をしっかり見極めて決めた方が良いと思います。
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全ての経験がさまざまな場面で役立ち、自分の強みになる!
受験生へのメッセージをお願いします
学校で学んだことだけでなく、友達との関わりで生まれた活動などが、現在さまざまな場面で活かされていると実感しています。学生時代、クロッキー帳にこっそり描いていたグラフィティアートのデザイン感覚などが社会に出て役立つ日が必ず来ます。
学生の時はやらされている感があるかもしれませんが、課題は頑張った方が良いです。
美術大学に進学したからには、なんでも良いので自分のやりたいことを見つけて継続してほしいと思います。
最後に、今回母校の大学案内を制作していかがでしたか?
制作自体は楽しかったのですが、初稿の提出時は学生時代に授業で出された課題の講評がフラッシュバックし、久しぶりに緊張しました (笑)。
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――大学案内表紙のロゴは私が作りました!

今回、伊藤さんが所属する株式会社アクロバット社にて大学案内が制作されましたが、表紙に掲載されている「ロゴ」は、伊藤さんと同学年コース違いの西村さんにて制作いただきました。

■西村真人さん (ぶち木工 (木工屋))
造形美術科 デザイン専攻 クラフトデザインコース 2004年卒業
2024 大学案内パンフレット表紙のロゴを制作

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